不妊治療を諦めることなんてできるの?【いつまで続けるか悩むときの2つのポイント】

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こんにちは✨さな吉です。

不妊治療って精神的にも金銭的にもものすごく大変ですよね。

望めば望むほど、努力すれば努力するほど、結果が出ないときのダメージが大きい・・・。

私もそれでずいぶんと闇に追い込まれていきました😅
一時期、赤ちゃんみるだけでジワッと涙が出てきましたもの。
いやはや、あのときはつらかった・・・。

やってもやっても成果が出ないことが続くと、ちらちらと頭をよぎり始めるのが「不妊治療をいつまで続けるのか」ということ。

不妊治療ってどこまで私たちを悩ますんでしょうね。
始めるときも悩んで、やってる最中も悩んで、終わりを見据えても悩んで・・・。

今回は、「不妊治療の終わりにどう向き合うか」について書いてみたいと思います。

ポイントは次の2点にあるかなと。

  1. 自分とのコミュニケーション
  2. 夫とのコミュニケーション

具体的な方法も書きました。よかったら最後までおつきあいくださいね。

なぜ治療の終わりを考えるのがこんなにも難しいのか

もともと不妊治療のつらさの背景にはステレオタイプとのギャップがあります。

不妊治療はなぜこんなに苦しいのか? 自己否定の輪から抜けだすには」にも書きましたが、私たちの内面には社会から求められている「女性はこうあるべき」という姿がかなり刷り込まれています。

女性に対して社会が求める女性像

  • 女性は子どもを産むもの

  • 子どもを産んで一人前の女性

  • 子育てをするのが女の幸せ

これらとのギャップから欠落感や焦燥感が生まれてきます。

そして「治療をいつまで続けるか」を考え始めたとき、今度はいよいよ「本当にこのレールから外れることになる」という恐怖が襲ってきます。

これは単純に何かをやめるといった話ではなくて、自分の存在意義とも大きく関わった大事なテーマでもあるのです。

だから、一筋縄ではいかないし、考えようと思っただけでも怖くなってしまう。

身近にモデルがいないことも関係していると思います。

不妊治療をすることも含め、子どもを産まない生き方ももっと世の中で当たり前になればいいんですけどね。

不妊治療はなぜこんなに苦しいのか? 自己否定の輪から抜けだすには

2018.03.03

不妊治療の健全なやめ方って?

以前、講演会で不妊カップルをサポートしている臨床心理士(男性)の話を聞いたことがあるのですが、その方が「不妊治療を健全にやめる」という言葉を使っていました。

そのとき思いました。

健全なやめ方なんてあるの?
正解なんてないんじゃないかな
私にだってもがけく権利はあるし・・・
ジタバタしたっていいと思う

その方の言いたかったことは理解できます。

きっと必要以上にこじらせないで、クライアントが建設的に次のステップにいけるようにサポートしていきたいという気持ちの表れだったと思います。

気持ちを置き去りにすることの弊害

しかし、以前紹介したオーストリアの心理学者フランクルは次のように言ってます。

苦悩は人間の「能力」の一つである

苦悩には意味があるし、苦悩の極みにおいてこそ人間精神は真に高められていく

不妊治療をいつまで続けるのかというのは、苦悩の極みといってもいいかもしれません。
※関連記事「不妊治療で心底つらいときに役立つ心理学|どんな人生にも意味がある

不妊治療で心底つらいときに役立つ心理学|どんな人生にも意味がある

2018.08.17

私たちは困難に直面すると、できることならサラッとスマートに乗り切りたいと思いがちです。

それは、気持ちにフタをして、何も感じないようにして、「大丈夫なフリ」「傷ついてないフリ」をすればできるかもしれません。

しかし、置き去りにした気持ちはどこかで必ず出てきます。

後にメンタルの不調や体調不良になってあらわれたり、

夫婦の信頼関係にヒビ割れとなって出てきたり、

夫を恨むような気持ちであらわれたり。

子どもができるにしても、残念ながらできないにしても、不妊治療は人生の大事な節目です。

ここにどう立ち向かうか、私たちは人生から問いかけられているのだと思います。

だから、もがいて、ジタバタして、遠回りしたとしても悩みながら答えを出していけばいいと私は思います。

私の場合、ソフトランディングで治療を終えた

私も・・・、ジタバタしました(笑)

2016年いっぱいで治療をやめようと思っていたのに、2016年の10月に初めて採卵できちゃったもんだから、必然的に延長戦に突入。

2017年の前半は高刺激で突っ走ったけど、この頃は精神的にも金銭的にもだいぶ息切れしてきました。

私はバシッとやめるということがどうしてもできなかったので、徐々にソフトランディングすることにしました。

それで2017年の後半から注射も点鼻もやめて、プレマリンとプロゲストンだけで様子をみる、という形にしたのです。

今考えてみると、ゆっくり時間をかけて不妊治療にお別れをしていたのかもしれません。

すごく怖かった

私、こういうの時間がかかるタイプなんです。

治療をやめるということは、自分が子供を産むことを諦めるわけですから、最初はこのテーマについて考えるのが怖くて怖くて仕方ありませんでした。

普通の顔して外へ出かけていましたが、心の中ではのたうち回っていましたよ(笑)

 

不妊治療をやめるかどうかジタバタするときのコツ

やってみて思いましたが、ジタバタもそう悪いものではありません。

なんといっても思う存分悩み抜くと、後の納得感が違います。

コツは“自分とのコミュニケーション”と、“夫とのコミュニケーション”にあります。

  1. 自分と丁寧にコミュニケーションを取る
  2. 心の鎧を外して夫と正直に話し合ってみる

これは治療のどの段階でも役に立つので、ぜひ参考にしてみてください。

①自分と丁寧にコミュニケーションを取る

一つ目は、気持ちの受け止め方です。

ネガティブな感情を忌み嫌うのではなく、また、即座になんらかの行動に移すのではなく、ひとまず、その感情を受け止める。

ああ、私、今ものすごく悲しいんだな

結構、今傷ついているかも

否定もせず、肯定もせず、ただそういう気持ちでいることを事実として受け止めてあげる。

この小さな自分とのやり取りが、自分を大事にした決断へとつながっていきます。

すでに治療を通じて満身創痍なんですもの。

自分を十分大事にしてあげてほしいなと思います。

②心の鎧を外して夫と正直に話し合ってみる

不妊治療は二人のことですから、やっぱり話し合いは必要です。

でも、不妊治療のことって喧嘩になりやすいし、お互い感情的になりやすいから、普通の話題よりも難易度が高いんですよね。

だからこそ心の鎧を外して正直に向き合うことが大事になってきます。

そこで話し合いのときには次の3点をぜひ心がけてみてください。

  • 相手を責めない
  • 「私」を主語にする
  • 1回で決着を付けようとしない

▼相手を責めない

「絶対に夫のことを攻撃しないで話そう」

と心に決めること。

大変だけど「責めない」と決めるのです。

その上で、自分の今の正直な気持ちを伝えてみてください。

じわじわと毎回の結果に傷ついていること、
それでも、まだあきらめきれないこと、
自分が納得するまでは時間がかかりそうだということ・・・などなど

心の奥底にある気持ちを誰のことも責めずに伝えられたとき、不思議と相手の心が動きます。

人は「責められている」というニュアンスが伝わってくると、シャッターを下ろすか、防衛のために攻撃に打って出ます。
日常の夫婦の話し合いがうまくいかない点はここにあります。

よく講座でこういう話をすると、「自分だけ責めないようにしても夫がそう思ってない場合成立しないんじゃないですか」と質問されるのですが、そんなことありません。

相手の態度は自分の鏡でもあるので、こちら側がどういうスタンスで話し始めるかによって話し合いの流れは確実に変わっていきます。

正直になるのは勇気がいることだけど、やってみる価値はあります。

▼「私」を主語にする

そして、話し合うときは「私」を主語にしてみるのもポイントです。

「私はこう思う。あなたはどう思う?」とニュートラルに話してみると、相手も正直な気持ちを話しやすくなります。

▼1回で決着をつけようとしない

話し合いをしていく中で他の選択肢「卵子提供」「養子」「里親」などについても話題にしてみてください。

治療を諦めるのか、そもそも子どもを持つこと自体を諦めるのか、お互いのすりあわせが必要です。

難しい話題なので、1回では決着はつかないと思います。

それでOKです。

こういう難しい問題はふたりの間に話題がのぼって、日常を過ごしながら少しずつお互いの考えが形になっていくものだと思います。

だから答えがでなくても焦らないで、「話し合えてよかった。今日はありがとう」肯定的に会話を終了させましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。少しでも参考になったら嬉しいです。

 

私がもし、当時の悩んでいる自分に声をかけてあげられるとしたら、ひとこと

大丈夫だよ

と言ってあげたいです。

自分の気持ちを大事にして、傷つきながらも丁寧に過ごしていけば、時間と共に心が癒やされていきます。

痛みや悲しみの質はだんだんと変わっていく・・・、これが「時間」というものの効能なのかもしれません。

これを読んでいるあなたも大丈夫。

不妊治療のどの行程にいても、どんなに傷ついていたとしても、あなたは大丈夫✨

私は本当にそう思います。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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