こんにちはー✨さな吉です。
先日、お義母さんと私たち夫婦で1泊2日の温泉旅行にいってきました。
お義母さんと一緒に旅行に行くのはこれで8回目。
私の母は7年前に他界しているので、本当のお母さんみたいに甘えさせてもらっています。
「お義母さん、お義母さん」と呼びかける度に「ああ、“お母さん”と呼べる相手がいるというのはこんなにも幸せなことなんだ」としみじみ思います。
親孝行しているようでいて、実は「娘をやらせてもらっている」というのが本当のところ。
これまで、不妊治療していることは普通に話していたけど、この機会にお義母さんがどう思っていたのか、そしてうちに子どもがいないことについてはどう思っているのかじっくり聞いてみることにしました。
(お義母さんからはブログに載せる許可をもらいました✨)
Contents
温泉で裸の付き合い
お義母さんは私の家から車で1時間ほどの場所に一人暮らししています。
現在75歳。
息子(私の夫)が2歳のときに離婚し、その後、一生懸命働きながら一人息子を立派に育て上げました。
今では週3〜4回プールで1000メートル泳いで、脳トレのために麻雀と英会話を続けている努力家のお義母さんです。
とにかく頭が柔らかいし、3人で出かけてもお義母さんが一番体力ある(笑)
今回はそのお義母さんとの久しぶりの旅行です。
箱根の温泉につかりながら、お義母さんにインタビューをオファーしました。
ねえ、ねえ、お義母さん、夜ご飯終わってからお義母さんの部屋いってもいい?
お義母さんにいろいろ聞きたいことがあるんだ
いいわよ、なんでも聞いて〜
聞いたことブログに書いてもいい?
いいわよ、なんでも書いて〜
さすがお義母さん!
快諾してくれたので、夜、お部屋にお邪魔しました。
(もちろん夫は抜きで)
質問①「私が不妊治療してると聞いたときどう思った?」
まずは私が不妊治療していたことについて聞いてみました。
子宮筋腫で入院する前に早苗さんから聞いたけど、
あー、そうなんだと思っただけで、孫がいればいいなとかそういうのはなかったな
そういうことしてるんだー、そのくらい
私は子どもはいてもいなくてもいいと思ってるから
じゃあ、へぇーみたいな感じだったの?
そうそう! へえーと思った!
確かにそれ系の
はやく孫が抱きたい、とか
子どもはどうするんだ、とか
一回も言われたことがないんですよね。
夫と一緒になってから、いわゆる世間の義母が言いそうなことを一切言われたことがないので、最初は不思議で仕方なかった。
何回か夫に「お義母さんって、そういううるさいこと言わない人なの?」と聞きましたもの。
夫からは必ず「うん、あの人は言わない」と返ってきました。
質問②「私たちに子どもがいないこと、どう思ってる?」
次は、子どもがいないことについて。
私の一番の望みはとにかく○○(夫の名前)と早苗さんが仲良くしてくれることなの
二人が仲良ければそれでいいの
私は自分が失敗してるから、二人が喧嘩して別れちゃうというのが一番怖れていること
二人が仲良くしてくれるんだったら、子どもがいようがいまいが別にいいの
一番の望みはそれだから
お義母さんの口から出た「失敗」という言葉にちょっとドキッとしたので聞いてみました。
お義母さんは失敗したと思ってるの?
んー・・・
私は離婚してよかったと思ってるから失敗とは思わないんだけど、なんかやっぱり間違ったことしちゃったかなと思うこともある
だからといって結婚しなきゃ良かったとは思わないし、
子ども産んでよかったなとはすごく思うから
でもやっぱり失敗かな〜
あー、もっと違う人とすればよかった〜!
75年の人生経験を積んできた人は強い!
二人で大爆笑しました。
お義母さんはとにかく私と夫が仲良くいてくれればいい、と何度も繰り返していました。そしてこんな発言もありました。
今回の旅行でお義母さんスゲエなって思ったことは、徹底的に嫁の味方でいようと決めてるところ。
息子に欠点があるのは親だからわかってるし
もし何かあったら「息子が悪いに決まってる」と思うの
「早苗さんは悪くない、悪いのはみんな息子」ってね私も悪いところあるけどさ。その気持ちは嬉しい。
— さな吉 (@sanakichi8) 2018年8月9日
これ聞いたとき、これまでのことを思い返してみたけど、私一度もお義母さんから批判的なこと言われたことがないんですよね。本当に凄いなと思いました。
当時、女が家を出るためには結婚するしかなかった
次に、昭和10年代に生まれた女性がどんな思いで結婚したのか、話をしてくれました。
当時、27〜28才の女性というのは、追い立てられるように「結婚しなくちゃ」という意識がまだまだあったのよ
それで、女が家を出るためには結婚するしか方法がなかった
お義母さんの話を聞きながら自分の20代と照らし合わせて疑問に思ったことを質問してみました。
じゃあ、家から仕事に通ってたの?
そうよ、ずっとよ、28歳で結婚するまで
初任給も1万円だから一人暮らしは無理だったし、当時、実家が近くにあるのに女性が一人暮らしするなんてまだまだ認められない時代だったから
きょうだいが5人いて、私は長女だったし、次から次へと下が生まれてきて、ごちゃごちゃっと人が多いところにずっといたから、一人になりたいという気持ちがいつもあった
だからね、今ひとりで暮らせていることがすっごい嬉しいの
なんて幸せなんだろうって思う
お義母さん、しみじみ自分の幸せをかみしめているようで聞いている私も嬉しかった。
女は結婚するのが当たり前、子どもを産むのは当たり前、という時代
調べてみたら、お義母さんが20代だった昭和30年代の平均初婚年齢は24.5歳、生涯未婚率は2.53%でした。
ほとんどの女性が20代半ばに結婚して家庭に入っていった時代なんですよね。
(ちなみに2015年は平均初婚年齢は29.4歳、生涯未婚率は14.06%)
今よりももっと、女は結婚するのが当たり前、子どもを産むのは当たり前、という時代。
この頃、未婚の女性や、私のように子どもができなかった人は本当に大変だったと思う。
ましてやお義母さんは結婚してすぐにシングルマザーになって、働きながら子どもを育てたわけだから、その苦労たるや並々ならぬものがあったはず。
これまで社会的背景の中で女性がどのように苦しんできたか想像したことはあったけど、身近な女性から「当時、女が家を出るためには結婚しかなかった」との言葉を聞いて、私たちの母親世代の苦労がリアルに胸に迫ってきました。
そして話は「男と女の間に横たわる深い溝」へ・・・。
二人して盛り上がったのが
なんで、こんな現代になってまでも、女が家事をやるのが当たり前と思ってる男の人が大勢いるんだろうね。
ということ。
この話をきっかけに、ぽつりぽつりと結婚当初のことを話してくれました。
自分の気持ちを伝えるなんてできなかった
私、言わなかったんだ・・・
アサーティブで、伝えたいことをきちんと言葉にするっていうのがあるじゃない?
(アサーティブとは自分も相手も大切にした自己主張のこと)
私、若いころ全然自分の思ったこと上手に言えなかった・・・
アサーティブって全然できなかったの
当時の旦那に対して
なんで子どもの面倒見てくれないの? うちにいるのに、とか
なんで家にお金をちゃんと入れてくれないの? とか
何にもしてないんだったら家のことやってよ、とか
そういうの本当に口に出さなかったんだよね・・・
言えなかったのよ・・・
そうすると、もうどんどん内にこもっていって、それがある日突然「パンッ」と切れちゃった
あ、私は息子と二人で生きた方が面白い!って離婚したの
こう言いながらも、お義母さんからは息子と二人で生きてきた事への誇りのようなものを感じたので、聞いてみました。
でも、それで・・・?
ん、正解!ホントに正解よ
こんないい人生を送れたんだもん
笑顔で力強く返ってきたので、やったー!と思ったし、ホントとの通り!と思いました。
以前、お義母さんが私の講座に参加してくれた
なぜお義母さんの口から「アサーティブ」という言葉が出てきたかというと、私が長年アサーティブコミュニケーションを人に伝える仕事をしてきたからなんです。
お義母さんは随分昔に私の講座に来くれたことがあって、それ以来ずっとアサーティブのことを覚えていてくれたんですね。
お義母さんの話を聞いて、あらためていつの時代でも男女の間には深い溝があって、多くの女性がそこで葛藤しながら生きているんだなと思いました。
アサーティブと不妊治療
私自身は24歳の時に家族の依存症問題が発覚し、家族が崩壊したときにアサーティブに出会いました。
【↓私とアサーティブの出会い↓】
【↓過去に開催したアサーティブの講座↓】このときから20年以上、私の心の中にはいつもアサーティブの存在があって、辛いときも苦しいときも私を支えてくれました。
これまでの人生、山あり谷ありで色々あったけど、不妊治療は断トツ苦しかった。
家族の依存症問題よりも、家族の崩壊よりも(笑)
アサーティブには治療中も本当に助けられたけど、子どもが授からないまま治療を終えた今、穏やかな気持ちでいられるのもアサーティブのおかげだと思っています。
そりゃ今でも赤ちゃん連れのお母さん見ると胸はチクンとしますよ。
でも、チクンとしても、自分は大丈夫だと思えるようになった。
こんな経緯もあって、お義母さんの口からアサーティブの言葉が出たときには、私が30代をかけて取り組んできたことを大事に覚えていてくれたんだと嬉しくなりました。
質問③「義理の母としてではなく、ひとりの女性として私に一番伝えたいことって何?」
最後にお義母さんに一人の女性として私に伝えたいことは何か聞いてみました。
なんだろうな・・・(沈黙15秒)
人生つらいことばっかりじゃないから、楽しみなさい
楽しいこといっぱいあるんだから
大変なことがあっても楽しいことの方がもっといっぱいあるから
楽しみなさい
ゆっくり、ゆっくり、噛みしめるように答えてくれました。
目の前の私に言いながら、2歳の息子を抱えて家を飛び出した若い頃の自分にも言っていたのかもしれません。
楽しむ・・・
この言葉がお義母さんのヒストリーとともにゆっくりと胸にしみこんできて、ああ、私はもっと人生を楽しんでもいいのかもしれない、と思いました。
おわりに
結局、お義母さんの部屋で1時間半もおしゃべりしてました。
何気ない時間だったけど、今後この時間が宝物のように私の中で輝きを増していくと思います。
お義母さんの話も聞いたし、私の話も聞いてもらったし、義母と嫁とはいえ、こうして対等な関係が築けているのはそれを受け入れてくれるお義母さんのおかげです。
(箱根神社でお義母さんとツーショット)
そして、一番近くにいるお義母さんの話を素直に聞きたいと思えるのは7年前に亡くなった母のおかげ。
二人の母に支えられて、いまの私があるんだなとしみじみ感じた夜でした。
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