こんにちは、さな吉です。
先日、こんなことをつぶやいたらたくさんのいいねをいただきました。
頭痛がするので早めに休もうと思って、夫に「湯たんぽお願いできる?」と頼んだら快く「いいよ」と言ってくれた。
この人は私が治療中、心折れまくって死人みたいになっているとき「早苗が心配」と言って湯たんぽよくやってくれた。それ思い出したらなんか泣けてきちゃった。優しい人です。
— さな吉@定員間近クリスマス会🎄 (@sanakichi8) 2018年11月27日
今日はそのときの様子をエッセイにまとめました。
いつもより短いのでさくっと読み終わると思います。
よかったら最後までお付き合いくださいね。
Contents
エッセイ「湯たんぽにこめた愛」
私は子宮筋腫の手術後、生理が来なくなってしまった。
赤ちゃん欲しいのにそもそも生理がなければもうお終いじゃん、という思考に取り憑かれ、数ヶ月の間は何をしていても悲しかった。
突然の生理とのお別れについていけず、女性としてのアイデンティティが根本から崩壊してしまったのだ。
いま思うとそのときは結婚生活の中で一番のピンチだったと思う。
なにせこの私が、しゃべらない、笑わない、食欲がない、のないない尽くしで、家の中は暗ーく死んだようになっていた。
酷いときはいわゆる「赤ちゃんを見かけただけで泣いてしまうような精神状態」だった。
そんな自分に嫌気が差しながらも、抜け出し方がわからなくてどうにもできずにいた。
夫は闇に落ちていく私をどう扱えばいいのか毎日困っていたと思うし、相当胸を痛めていたと思う。
でも彼は、決して「考えすぎ」とか「気にするな」とは言わなかった。
ただただ静かに隣にいてくれた。
それはきっと、私が真っ暗闇に完全に落ちきった状態だったからだと思う。
もうちょっと手前の精神状態だったら彼も私に意見したと思うし、場合によってはいい加減にしてくれと言ったかもしれない。
それほど、私はヤバかったのだ。
・‥…─*・‥…─*・‥…─*・‥…─*
その年の冬は、なんにもしゃべらず「おやすみ」とひとこと言って私だけ寝室に行くことが多かった。
そうすると、10分後くらいにドアをそっとあけて夫が入ってくる。
早苗、湯たんぽできたよ
私が無言で布団を持ち上げると、夫が湯たんぽを中に入れてくれる。
そして湯たんぽの置き場所を整え、
早苗が心配
と言って、何度か頭をなで、部屋を出て行く。
こんな夜を何度も過ごした。
・‥…─*・‥…─*・‥…─*・‥…─*
そして昨日。
久々に原因不明の頭痛に悩まされ、早く寝ることにした。
仕事で疲れてるだろうなと思いつつ、「湯たんぽお願いできる?」と頼んでみたら快く「いいよ」と言ってくれた。
そして10分後、夫が湯たんぽを持って寝室にやってきた。
早苗、湯たんぽできたよ
このとき、バーッと当時のことがよみがえってきた。
ああ、そうだ、この人、こうやっていつも私のそばにいてくれたんだ
湯たんぽの置き場所を整える夫に、
ねえ、私が死んだようになってたとき、こうやって「早苗が心配」って言ってよく湯たんぽやってくれたよね
と伝えた。
うん
と一言だけ返す夫。
いつもそばにいてくれたよね。ありがと
とその瞬間わき起こってきた気持ちを言葉にしたら
なに言ってんだよ、当たり前だろ
と少し照れ笑いをしながら部屋を出て行った。
些細なことで喧嘩したりもするけど、根っこの根っこは本当に温かくて優しい人だな
そう思って、寝室でちょっと泣いた。
・‥…─*・‥…─*・‥…─*・‥…─*
不妊治療はつらい。本当につらい。
うっかりするととんでもない暗闇まで落ちていってしまう。
でも、私たち女性は賢くて強い。
安全な場所で自分のことを語ることができれば、暗闇の中を手探りしながら前に進むことができる。
傷ついた分だけ優しくなれるし、強くもなれる。
そのために私ができることをがんばっていきたい。
夫の優しさに触れて、そんなことまで考えた冬の夜だった。
~END~
近況報告
エッセイは以上です。今日も読んでくださってありがとうございました!
コメント、感想などありましたら、どんな小さなことでもいいのでお寄せ頂けたら嬉しいです💕
近況報告としては、出版社もどこもなんにも決まってないけど、本を書いています(笑)
いまちょうど1章が書き終わって、校正をしている最中です。
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