【私を突き動かす原点】さな吉・家族の物語「不妊治療を通じて本物の夫婦へ」

先日、「夫婦の妊コミBOOK」を無料で公開した。

アンケート部分はみんなに協力してもらって、その他の企画、編集、執筆、デザインはすべて1人でおこなった。

妊活中の夫婦に「最強のチーム」になってほしい一心で、約3週間、1日13時間もパソコンにへばりついて夢中になって作った。

初めて白状するけど、右腕使いすぎて四十肩になった。

今でも右腕がイテテテテとなって上にあがらない。

なぜこんなに頑張れたのか

「夫婦の妊コミBOOK」は本当に無料で、スポンサーもついていないし、ここからはなんの収益も生まれない。

そもそも、私自身、これで儲けようなんてこれっぽっちも思っていない。

だからといって、全然手は抜いていなくて、妊活中のみんなにめっちゃ役に立って、なおかつクオリティの高いものを作ろうと全精力を注いだ。

なぜ、そこまでして、頑張れたのか。

なぜ、そこまで、妊活中の夫婦に心を通わせてほしいのか。

それは私にとって何よりも家族が大事だからだ。

私のコミュニケーション講師という職業も、そして不妊治療を終えてなお、この世界にとどまってみんなを応援しようと決めたのも、私の家族との関わりが大いに関係している。

忘れないように、それを文章にして残しておきたい。

よかったら最後までお付き合いください。

(前半ちょっと暗いけど、いたって私は明るいので安心して読んでください😅)

そもそもなぜ家族?

「人は深い谷に落ち込んだときに大きな価値観が生まれる」

これはある起業家が言っていた言葉だ。

なにか強烈な原体験があって、それを元に人は生き方を定めていくらしい。

 

それで言うと、私の「深い谷」は10代から20代にかけての家族の崩壊だ。

多感な時期に自分の家族が崩壊していくのをなすすべもなくかたわらで見てきた。

会話がまったくない両親の間に入って中継役をしたり、弟やおばあちゃんの面倒をみたり、私なりにがんばったけど家族の現状を変えることはできなかった。

 

決定的な出来事

わたしが24歳のとき、決定的な出来事が起きた。

家族の依存症が発覚したのだ。

ワンルームの狭い部屋で家族と罵り合いの喧嘩をしているときに、家族から「自分が依存症である」ことの雄叫びのような告白があった。

それを聞いた瞬間、生まれて初めて腰が抜けるという体験をした。

漫画でよくある「へなへなへな〜」と地面に崩れ落ちる、あれだ。

 

 

ターニングポイント

まっさきに頭に浮かんだのは「私が家族の人生をダメにしてしまった」という、なんとも根拠のない自責の念だった。

でも当時の私は大真面目にそう思って、玄関にうずくまって泣いた

悪いことは重なるもので同時期に、他の家族も遠方の施設に入らざるを得ない精神状態になった。

仕事をしていても、彼氏と会っていても常に家族の事ばかり考えていた。

 

 

自分を大事にすべし

なんとかしたいとの思いから、家族を依存症の回復施設につれていった。

そこで私はカミナリに打たれるような衝撃を受ける。

施設の人から、この状況を脱するには

  • 家族の事は手放すべし
  • とにかく自分のことを大事にすべし
  • 自分の気持ちを大事にしそれを的確に言葉にしていくべし

と言われたのだ。

 

 

生きていてくれさえいれば

そこから私の旅が始まった。

もう極端なんだけど、常に気になっていた2人の家族にかかわることをきっぱりやめた

・こちらからは連絡しない
・お金を貸してとか保証人になってと言われても断る

身を引き裂かれるような思いだったけど、

生きていてくれさえいればいい

そう思い、心を鬼にして距離を置いた。

 

 

とまどい

そして、自分自身を生きることに集中しようと思った。

これからは「自分の気持ち」を大事にしながら生きていこうと思った。

でも、ずっと自分の心を無視してきたから、すっかり自分がどう思っているのかわからない人間になっていた。

いざ自分の人生の主導権を握ろうとしたとき、どうすればいいのかわからなくて途方に暮れた。

 

 

死にものぐるい

だから毎週施設に通い、家族会に参加して勉強を重ねた。

まわりは40代〜60代の大人ばかり。かたや私は24歳。

おばさま方から「あなたは若いから未来があっていいわね」と何度も言われた。

このとき、若い人を捕まえて自分の年齢を嘆くような大人にだけはなるまいと心に誓った。

 

安月給で一人暮らしの身には参加費の3,000円がめちゃくちゃ痛かった。

それでもなんとか自分を変えたくて

・依存症のメカニズム
・家族が陥る共依存とは何か
・家族はどうやって生きていけばいいのか

など、必死に勉強した。

 

 

自分との対話

ここでの一番大きな出会いは自他尊重のコミュニケーション「アサーティブ」に出会ったことだ。

今後生きていく上での必要な道具を手に入れたと思った。

 

 

コミュニケーションというと誰か相手がいて成立するものというイメージがある。

しかし、私の場合は他の誰でもなく「自分」とコミュニケーションを取る必要があった。

自分の気持ちを把握して、

自分が何をしたいのか、

何をしたくないのか、

自分と対話を重ねる。

そしてときにはそれを口に出してまわりに伝える

今までやってこなかったから、これがとてつもなく難しかった。

 

 

生きる道具

一生懸命勉強したのに、最初の会社はいい人をやりすぎてパニック障害で辞めている。

でも、自分にがっかりしながらも「生きる道具」を持っているというのは安心感があった。

立ち戻る指針を持ったことが大きな支えになったのだ。

 

その後は自分の進む道を、このアサーティブと共に生きていくことに決めた。

この道に進んで、対人関係で悩む人の力になりたいと思った。

 

家族がどうしているのかは風の噂でしか耳に入ってこなかった。

でも、きっと向こうは向こうで回復の道を歩んでいるに違いないと思い、自分の道に集中した。

 

邂逅

夫とも結婚し、仕事も順調だった私に転機が訪れる。

他の家族が大きな手術をすることになり、関係を絶っていた家族と会うことになったのだ。

このとき私は34歳

実に10年の月日が流れていた。

「会ったらまた昔の関係に戻ってしまうのでは」と怖かったけど、事前に何度も自分の思いをノートに書き出して、どんな関係を築きたいのか整理した。

そしてロールプレイで練習して、当日にのぞんだ。

 

 

心臓がはねた

待ち合わせの喫茶店に着いても、会うのが怖くてなかなか店に入れなかった。

入り口の前を何度も行ったり来たりした。

いざ勇気を出して店の中に入り、家族を探した。

家族は日の当たる窓際の席にいて、クリームソーダを飲んでいた。

顔を見た瞬間、心臓がドクンとはねた。

と同時に、子どもの頃、この人のことを本当に大好きだったということを思い出した。

 

 

汗びっしょり

なかなか話を切り出せず、私は注文したウーロン茶をストローでくるくる回し続けた。

ぎっしり入っていた氷がすっかりなくなった頃、やっと切り出した。

「これからまた会う機会が増えると思うけど、まだ上手につきあっていく自信がないから、私から連絡する以外、当分はそちらからは連絡しないで欲しい」

ほんの数行のことを言うのに脇に汗をびっしょりかいた。

全然上手にしゃべれなかったし、しどろもどろだった。

 

 

何が大事か

相手は「うん」と言ってくれたけど、それはそんなに重要ではなかった。

自分の中の「何がOKで、何がNOなのか」を明確にして、家族と健全な距離で境界線を引くことが私にとっての最重要課題だった。

 

ここが私の旅のひとつの区切りだったように思う。

これを機会に家族とも徐々に会う機会が増え、いい距離を保てるようになった。

おかげでその後の母の介護と看取りを家族一丸となって取り組めた。

 

 

 

 

不妊治療でまたドン底へ

家族の山場を越えて、次に私に襲ってきたのが不妊治療である。

私は早発閉経だったから、生理がなくなるというのに大変なダメージを受けた。

生理が終わるということは、そもそも子どもを持つことのスタートラインにも立てない・・・

そう思って自分の価値がゼロになったような気がした。

こんなふうに思う自分にもショックを受けた。

自分の中に「女性はこうあるべき」というステレオタイプがこれでもかというほど刷り込まれていることに愕然とした。

 

 

孤独

弱っているときは昔の生き方が顔を出す。

世界中に誰も私の味方がいないような気がして、どんどん追い込まれていった。

コミュニケーションの講師なのに、こと話題が不妊治療に及ぶと、何をどう伝えていいのやら途方に暮れることが何度もあった。

そんな自分が情けなかった。

こんな自分は人にコミュニケーションを教えるなんてやってはいけない仕事ではないかと悩んだ。

 

でも、そこで気づいた。

不妊治療中のコミュニケーションはめちゃくちゃハードルが高い。

とてつもなく高い。

普段の夫婦のこぜりあいが高尾山(東京の気軽に登れる山)くらいのハードルだとしたら、不妊治療はエベレスト級だ。

 

なぜかというと、治療当事者の自己肯定感が治療を重ねるごとにどんどん削られていくからだ。

 

圧倒的なネガティブ感情にさらされて、自分のことをまったくいいと思えないとき、冷静にコミュニケーションとるのは難しい。

不妊治療中のコミュニケーションでは、

 

  • 自分が何者なのかという自分を立て直す作業と
  • 目の前の相手とどう向き合うか

 

の2つを同時にやらなくてはいけない。

その上、治療では容赦なく厳しい現実が突きつけられる。

相当なハードさだ。

 

原点に戻る

だからこそ、私にはもう一度20代のときに踏んだプロセスが必要だった。

自分の気持ちを把握して、

自分が何をしたいのか、

何をしたくないのか、

自分と対話を重ねる。

そしてときにはそれを口に出してまわりに伝える

とにかく、自分が学んできたことの基本に戻ろうと思った。

 

地に落ちた自己信頼を取り戻すために、気持ちをなかったことにせずに「あー、私はいまつらいんだな」と受け止める。

ネガティブ感情を持った自分を責めずに、気持ちを淡々と受け止め、その上でどう行動するかを選ぶ。

これを地道に繰り返した。

 

 

価値観の違い

夫に対しては、不妊治療がらみだと「あれ?」と思うことが増えて話が通じなくなる感覚があった。

 

「この人、こんな冷たい人だったかな」と思ったり、

「なんで?信じられない?どうしてそんなこと言うの?」と思ったり、

ときには「私はこの人を愛し続けられるだろうか」と思ったりもした。

 

価値観の違いが浮き彫りになって、お互い声を荒げることもあった。

 

 

新境地

それでも歩み寄って、あきらめずに話し合った。

まるで相撲取りの稽古のようだった。

ぶつかってぶつかって、鍛錬を続けるうちに、二人の新しい境地が開けていった。

それには本当に難しいんだけど「いかに誰のことも責めずに話すか」というのが重要だった。

といっても菩薩みたいになるわけではなくて、ほんの一瞬でもいいから、目の前の相手に想いを寄せて「共感」したり「責任を共有する言葉」を伝えたり、そうすることで会話の着地点が全然違うことがわかった。

 

 

私の場合は子どもを授かることはできなかったけど、そのかわり夫との絆はかつてないほどに深まった。

今でも喧嘩することもあるし、意見がぶつかることもある。

それでも「大丈夫感」が半端ない。

きっとこの不妊治療を通じて、私も夫も成長したのだと思う。

 

病めるときも、すこやかなるときも

妊活に苦しんで、人生の底にいる人はたくさんいると思う。

でも、もしかしたらそれはかけがえのないものを手に入れるチャンスかもしれない。

期せずして苦しい状況になったけど、本当に心の底から「自分を大事にしよう」と思えるまたとない機会とも言える。

この時期に孤独になることはとても簡単だ。

でもあなたの隣にはパートナーがいる。

 

 

まさに今

パートナーとは、

病めるときも、健やかなるときも、
富めるときも、貧しきときも、
愛し、敬い、慈しむこと

を、おそらく誓い合ったのではないだろうか。

まさに今がそのときだと思う。

そのために夫婦のコミュニケーションがすごく大事だ。

しかも表面的なスキルというよりも、真に自分と相手の両方を大事にしようという心の姿勢が何よりも重要だと私は思う。

私にとって家族が大事だからこそ、妊活中の夫婦の心が離れてしまうようなことがあったらいても立ってもいられない。

だから、私の持っているものでみんなの役に立つものがあったら、惜しげなく出していきたい。

 

こんな想いで作ったのが「夫婦の妊コミBOOK」です
  • 315名が回答してくれた「妊活中の妻の本音・夫の本音アンケート」の結果
  • コミュニケーション講師歴15年のさな吉がこれまでの妊活経験と専門知識をもとにまとめた「妊活コミュニケーション」の方法


ギガファイル便のダウンロードページは↓こちら
ダウンロードキーはいりません。
ページ中段の「ダウンロード開始」ボタンを押してください。

 

—–✂️ さいごに ✂️—–

24歳のとき、玄関にうずくまって泣いていた私が、長い長い旅を経て今こうしてここにいる。

あんなにも家族を渇望していた私に子どもができなかったのは皮肉な話だけど、妊活中のみんなとつながって、みんなの力になれれば、私の想いも報われと思っている。

〜おわり〜

以上が私の家族の物語です。

スーパーウエットな話に最後までつきあってくださってありがとうございました!!

よかったら↓LINEで感想をもらえたら嬉しいです!

LINE@はじめました!

「おもしろかった!」
「私の場合はこんなでした!」
「さな吉さん、文章長いっす!」

など感想ございましたら、LINE@を登録していただき、ぜひ直接メッセージ送ってください。

必ず返信します(^o^)💕
友だち追加

【↓少し別の角度から不妊治療にいたるまでの生き様を書いています。よかったらこちらもお読みください】

さな吉ストーリー「人の顔色を気にしながら生きてきた」自己肯定感の低さが妊活で露呈した

2018.11.02

【旦那さんも読んでくださいの大人気シリーズ】

【切実】不妊治療について夫に知ってもらいたいこと(旦那さんも是非読んでみてください)

2018.05.29

【夫必読!】不妊治療が辛い理由(旦那さんも是非読んでみてください)

2018.07.06

【要約】NHKスペシャル「精子力クライシス」|旦那さん必読!精子改善の一覧表付き

2018.08.03

リツイートといいねで応援してもらえたら嬉しいです💕

ランキングにも参加しています。たくさんの人に読んでもらいたいのでぜひクリックよろしくお願いします!
にほんブログ村 赤ちゃん待ちブログ 不妊(高齢赤ちゃん待ち)へ

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です